“残念サラリーマン”のお金相談所写真はイメージです Photo:PIXTA

新NISAの仕組みを利用して、今年から投資を始めたという方は多いと思います。8月の株価急落とその後の乱高下は、投資ビギナーにとっては初めて体験する事態で、非常に不安だったのではないでしょうか。先日、筆者のところに相談に来たJさんもそんな一人。8月上旬、株価の急落を見て焦ったJさんが取ってしまった行動とは……。(家計再生コンサルタント 横山光昭)

8月の株価急落と乱高下。今、株は売るとき?買うとき?

 8月上旬の株価の下落とその後の乱高下で、「損をしてしまうのではないか」と不安になった方は多かったようです。特に、今年のNISAの評判に乗って投資を始めた人にとっては初めての下落です。今まで積み立てた投資商品を慌てて売却し、手放してしまった人もいたと聞いています。

 私のお客様からも、「下がっているけど大丈夫なのか」という問い合わせがいくつかありましたが、投資の仕組みをきちんと知っていれば問題のないことです。こういう時ほど手放すことはせず、しっかりと持っておく。ゆとりがあるのなら、株のバーゲンと捉えて買い増しを検討するくらいのほうが良いです。

 経験も知識も乏しい投資初心者のうちは、ネットなどから情報を得て、真似ながら取り組んでいる方も多いと思います。その場合、不安なことが起きた時もやはりネットで情報を集めがちで、結果、信頼できる情報が分からなくなり、不安が増してしまうことも……。判断する基準が分からず、不安に任せて売却、という行動パターンになってしまうようです。

 下落しているからと売却すると、そこで損失が確定してしまいます。しかし歴史を振り返れば、過去に何度も株価が暴落した時があっても、時間をかけて回復し、その後、経済はさらなる成長をしています。不安でもグッと我慢し、そのまま持っている。気になるのなら、証券口座の画面は見ずに放置する。そう決めて、乗り越えることが、投資をうまく進める秘訣(ひけつ)です。

 先日、スポットで駆け込み相談に来られたJさんも、株価の下落に慌てて、残念な結果となってしまった方の一人。どうしてそうなってしまったのか、ご紹介します。