「“昔は神童”で終わる子」と「社会人になっても伸び続ける子」の決定的な違い写真はイメージです Photo:PIXTA

「伸び続ける子は、適応力が高い」。そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。「こんなにも具体的で内容が詰まっているものは初めて!」「目からウロコ」と子育て世代に話題の新刊『「強み」を生み出す育て方』の中から、25年間の塾経営でたどり着いた【社会人になっても伸びる子の育て方】をお届けする。

伸び続ける子→新しい環境への適応力が高い

「勝敗がつく遊びをしている時に勝つまでやめない」「自分に負けたくない、という気持ちが強い」こんな子は商人気質かもしれません。商人気質の子どもは、「チャレンジ精神」も強めです。

 新しいことや新しい環境への適応能力が高いですから、子どもの成長に合わせて、環境のレベルを少しずつ上げていくことにも目を向けてください。伸び続ける子どもを育てるには環境を適度に変え、適応力を高めることも大切なのです。

 英語で「Get out of comfort zone」という言葉があります。「居心地の良い場所(コンフォートゾーン)から脱出せよ!」という意味です。人間の成長にとって居心地が良すぎることは危険であることを警告する言葉です。

 実は、この効果は心理学的にも証明されています。イェール大学のロバート・ヤーキーズ教授と心理学者のジョン・ドットソン氏は、人間がパフォーマンスを最大限に発揮するには、相対的に不安な状態、つまりいつもより「少しストレスが高い状態」が必要であるという「ヤーキーズ・ドットソンの法則」を提唱しました。

 実際に学校ではもちろん、社会に出てからも伸び続けている子どもたちを観察していると、「自分の現状に決して満足しない」という共通点がわかります。常にワンランク上を目指して努力を継続しています。

 現状の1割増しの目標を設定し、わざと少し居心地の悪い状態を作るわけです。そしてそれを達成したら、さらにワンランク上を目指す。そうしてずっと右肩上がりに伸びていくことができるのです。

 ポイントは「ワンランク上」です。決して高すぎる目標設定をしていないのです。自分の手が届く範囲の目標を定めて挑戦をしています。階段を3つ、4つ飛ばして上ろうとしない。着実に実力をつけていく。地道で根気のいる作業ですが、これを実践できるのが商人気質の子どもたちです。

 もちろん環境を変えることは子どもの力だけでは難しい場合があります。親が子どもの技能レベルを見極め、「準備ができた」と判断したら、環境を変えることを検討してください。

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「“昔は神童”で終わる子」と「社会人になっても伸び続ける子」の決定的な違いピッタリの習い事は子どもの強みを育てる最高のチャンス!『「強み」を生み出す育て方』(船津徹/ダイヤモンド社)より
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子育て成功のカギは「強み育て」にある

「“昔は神童”で終わる子」と「社会人になっても伸び続ける子」の決定的な違い「強み」を生み出す育て方』 (船津徹・ダイヤモンド社)定価:1980円(税込)

 子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?

 たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。

 つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのですが、習い事は強みを育てる最高のチャンスになります!だから習い事選びは「子育て成功」に直結するのです。