「乳幼児期の“特性にあった教育”→子どもがずば抜ける」。そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。「こんなにも具体的で内容が詰まっているものは初めて!」「目からウロコ」と子育て世代に話題の新刊『「強み」を生み出す育て方』の中から、25年間の塾経営でたどり着いた【幼児教育で気をつけるべきこと】をお届けする。
幼少期の天才→成長するにつれ「普通」になるワケは?
「ウチの子、天才かも!?」わが子をみていてそう思ったことのある親御さんもいらっしゃるかもしれません。
実は、天才には「生まれつきの天才(ギフテッド)」と「後天的な天才」の2通りがあります。
アメリカでは生まれつき知能が高い子どもは「ギフテッドチャイルド」と呼ばれ、学校で特別な天才育成プログラムを受けることができます。2018年にギフテッド判定を受けた子どもは、全米の公立学校に通う児童・生徒の「6.6%」でした(米国教育省の公表データより)。
私はアメリカの最難関大学に飛び級で合格してしまうような、世界トップ1%以上の学力を持つ「生まれつきの天才」と、環境や教育によってギフテッドレベルの能力を獲得した「後天的な天才」の両方を間近で見てきました。
「後天的な天才」とは、生まれつき平均以上の知能(IQ115~130前後)の持ち主が、適切な早期教育を受けることで、さらにその特性を伸ばし、高い能力を身につけたケースです。
日本人、韓国人、中国人などのアジア人に多く、算数、読み書き、ピアノ、バイオリンなどの「早期英才教育」を受けているケースがほとんどです。アメリカでギフテッド判定を受けた子どもの人種構成を見ると、アジア人が他の人種の2倍近い割合で、最も大きな数字になっています。
なぜ、アジア人に「後天的な天才」が多いのでしょうか。私は、その理由は「三つ子の魂百まで」に代表される「乳幼児期の育て方が人生の基盤を作る」という教育通念にあると考えています。
白人、黒人、ヒスパニックにはこのような概念は一般的でなく、むしろ「本人のやる気次第で何歳になっても能力は伸ばせる」、英語でいえば「Never too late(いつでも遅くない)」という考え方が多いように感じます。
乳幼児期に子どもの特性(気質や興味)に合った教育を与えることで、子どもの能力を高いレベルに引き上げることができる。これは紛れもない事実です。長らく幼児教育に携わってきた経験から、断言できます。
ポイントは「子どもの特性に合った教育」です。子どもの興味や関心を見抜き、その分野を伸ばす教育を与えることで、ずば抜けた能力を発揮するようになります。
一方で、子ども不在の「詰め込み教育」を与えると逆効果になることがあるので、注意が必要です。
ピアノやバイオリンなどの楽器演奏や絵画や造形などのアート分野で、5~6歳の子どもが大人顔負けの技能を示している映像を見たことがある人は多いと思います。これらは乳幼児期の「特性に合った教育」によって才能を開花させた事例です。
「後天的な天才」は、適切な教育を継続していかないと能力が伸び止まることがあります。
幼児期に天才的な能力を示していた子どもが小学校に上がり、学年が上がるにつれどんどん普通の能力の持ち主になっていくケースがあります。これは、幼児教育で高い能力を身につけたから「後は放っておいても大丈夫だろう」という親の油断によって起こります。
「後天的な天才」を伸ばすには周囲の継続的なサポートが必要なのです。
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子育て成功のカギは「強み育て」にある
子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?
たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。
つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのですが、習い事は強みを育てる最高のチャンスになります!だから習い事選びは「子育て成功」に直結するのです。