G20リオデジャネイロ会合
初めての国際租税協力に関する宣言
ブラジルのリオデジャネイロで7月25・26日に開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議で、超富裕層への課税強化で注目すべき国際協力の取り組みが掲げられた。
「国際租税協力に関するG20閣僚リオデジャネイロ宣言」で、超富裕層(Ultra-High-Net-Worth-Individuals)への累進的な課税の重要性が確認され、そのための各国の連携と協力がうたわれた点だ。
今後、株式や不動産などの資産に対して2%の税率を課すなどの案が検討される見通しだ。
資産管理会社に株式を移すなどの「課税逃れ」により、億万長者になるほど実効税率が下がり、累進課税など税の再分配機能が損なわれていることへの危機感がある。
日本でも所得税の「1億円の壁」問題が議論されているが、国際的にも超富裕層などへの課税強化が緊急の課題になっている。
デジタル化やIT化の産業構造の変化の下で、中間層の地位低下や生活困窮化が進み、格差拡大や税の不公平への社会の不満や中間層の縮小が経済成長を阻害するという意識が強まっていることが背景にある。