「あの人とまた話したい」と思わせる一流の人が、すれ違いざまに話していること写真はイメージです Photo:PIXTA

すれ違いざまの対話で何を話せばよいか、戸惑う人が少なくない。たった数分の限られた時間の中でも、相手を引き付けることができる話法がある。訓練されたスマートなビジネスパーソンが発揮しているスキルだ。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

「ばったり会った数分」で
スマートな人がやっていること

 すれ違いざまの立ち話で、相手をグッと引き付けることができるビジネスパーソンがいる。しっかりとアイコンタクトし、限られた1~2分の対話で、「ああこの人と話せてよかった」と相手に思わせることができる、スマートな人だ。

 一方で、視線も向けない、声もかけない、まるで周囲を無視しているかのように歩き去る人もいる。視線があったかと思えばにらみつけていて、口を開いたと思えば「あの件はどうなった」「これはこうしろ」と詰め寄る。「この人とは出くわしたくない」「話したくない」と思わせてしまう。

 この違いは何なのか。このように申し上げると、「上司が先に声をかける必要はない」「上司が指示して何が悪い」という見解に、意外なほど多く接する。

 中には、すれ違いざまでの印象を良くしようと心がけている人もいるが、「スマートな対話をしようとしても、ぎこちなくなってしまうのでやめた」「スマートに声をかけることができるかどうかはその人の天性と経験がなせるわざで、今さら身に付けられるものではない」という諦念さえ聞こえてくる。

 しかし、私は、そうは思わない。誰しも、立ち話の限られた時間で、スマートに聞き手を引き付けることができる。それも、すぐに実施できるようになる方法だ。