野菜の少なさを気にされるところは、やっぱり管理栄養士。そして夫さんは消防士だ。

 オーバーではなく、命に関わるお仕事でもある。やっぱりご心配はありますか、と訊けば「いいえ」と即答された。

「全ッ然、心配じゃないです。私たちをおいて死んじゃうようなこと、あるわけないですから。絶対に」

 きっぱりと強く、言われた。

親なきあとの障害児の
食事は?居場所は?

 大高さんは現在、『ゆめのめ』というNPO法人の代表をつとめており、重症心身障害児のためのデイケアルーム『フローラ』を運営されている。開設したのは2019年のことだった。障害のある子が子どもらしく過ごせる場所、そして親御さんが預けられる場所があまりにも少ない。「ならば自分たちで作るしかない」という思いで、有志と共に立ち上げた。

「障害のある子を持つ親が働けて、なおかつ自分の時間も持てないと始まらない。そうじゃないと、心がもちません」

 同じ思いをしている親御さんが、安心して預けられる場所を作りたい。そして障害児の家族が横の繋がりを持てることも必要だという思いが、大高さんを突き動かしている。

「『フローラ』は0~18歳までの子が対象なんです。特別支援学校を卒業した後の居場所も必要と感じて、超小規模ですが『日野坂キャンパス』というデイサービスの施設も2022年に立ち上げました」