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【精神科医が教える】人を許す力…イライラがなくなる疲れない生き方Photo: Adobe Stock

人を許す方法

今日は「人を許す方法」についてお話ししたいと思います。

日々いろんな人と出会い、さまざまな出来事に直面するなかで、「あの人が許せない」と思うことがあるかもしれません。

特に、自分の価値観や期待に反する言動をとられたとき、その相手にどうしても怒りや憎しみが湧いてくるものです。

自分との違いを受け入れよう

人を許すということについて考えるとき、まず大切なのは「自分中心に物事を見ない」ということです。

自分の価値観や期待を前提に他人を判断すると、その人の言動が自分の意に沿わなくて、許せないと感じてしまうこともあるでしょう。

でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。人にはそれぞれの人生があり、モノの見方や価値観がちょっとずつ違うのです。

許すための一歩

多くの人と接する仕事をしていると、本当にいろいろな背景を持った人と出会います。その背景や状況を理解しようとすると、ちょっと腹立たしいことに直面しても、相手を許す気持ちが芽生えてくるんです。

もちろん、他人の立場を完全に理解することはできません。ですが、「きっとこういう気持ちなんだろうな」「こんな感覚なんだろうな」と想像することはできます。

そして、その想像力が、相手をちょっとでも理解し、許すための一歩となるのです。

許せる理由、許せない理由

たとえば、インバウンド(訪日外国人)の方とコミュニケーションをとる機会があるとしましょう。そんなときには自然と言葉や文化の違いを考慮して接しようとしますよね。

その結果、多少理解できない言動をとられても、怒ったりしないはずです。なぜなら、最初から「お互いに違いがある」ということをわきまえて接しているからです。

一方、身近な人や家族に対しては、自分の価値観に当てはめがちで、期待が高くなるものです。その結果、同じような言動をとられた場合でも、許せないと怒りを感じることもあるのです。

人を許すためには……

身近な人でも家族であっても、自分とは違う考え方や価値観を持った人なんだと考えることができれば、少し許せるようになるかもしれません。

結局のところ、人を許すためには「世の中にはいろんな人がいて、いろんな事情があるんだ」と認識することが大切なのです。