ゼネコンPhoto:PIXTA

2020年に始まったコロナ禍による落ち込みを脱した日本経済。ただ、元通りになったわけではない。デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、物価高の影響も続く。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は大成建設、鹿島など「ゼネコン」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

大成建設は約4割の大幅増収
清水建設は4社で唯一、減収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のゼネコン業界4社。対象期間は2024年4~6月期の四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・大成建設
 増収率:39.0%(四半期の売上高4571億円)
・鹿島
 増収率:5.1%(四半期の売上高6132億円)
・大林組
 増収率:17.9%(四半期の売上高5747億円)
・清水建設
 増収率:マイナス9.1%(四半期の売上高4010億円)

 ゼネコン業界の主要4社では、大成建設、鹿島、大林組が前年同期比で増収、清水建設が減収となった。

 大成建設は前年同期比で4割近い大幅増収となった一方で、清水建設は4社で唯一、減収に陥り、増収率には大きな差が付いている。それぞれの増収、減収の要因は何だったのか。

 次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、2社の業績について解説する。