市場が神経質な動きを見せている。経済がほんの少し動いただけでセンチメントが激しく揺れ動き、景気後退(リセッション)懸念が生じたり、安堵(あんど)感から相場が急騰したりしている。人工知能(AI)ブームの一部に陰りが見られることを考えても、最近の株価の動きはどうもふに落ちないことが多い。
しかし水面下では二つのテーマが浮上しつつある。市場のパラダイムがインフレを重視するものから経済成長を重視するものに変化したことが一つ。もう一つはそれに関連したもので、近づきつつある米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げが支援材料となって、これまで不人気だった株の銘柄が市場のスター銘柄を上回る上昇率を記録していることだ。