リスクを感じても行動に出る
傾向が強いハイパフォーマー

 実際、多くの人から勇気ある行動と見なされるのは、きちんとやり遂げられたり、良い結果に終わったりするケースだけである、という研究報告があるのだ。

 たとえば、あなたが自分の意見を主張し始めたものの、誰かに遮られたとたんにやめてしまったとしたら、あなたは、自分が勇気ある行動をしたと考えるだろうか?あるいは、誰かが溺れている人を助けようとして川に飛び込むも、2人とも溺れてしまったとか、2人とも救助が必要な結果になったという場合、それは勇気ある行動か?それとも単なる向こう見ずか?おそらく後者だろう。

 とはいえ、勇気に関する私たちの調査結果の根底には、ある明確な傾向が見られた。それは、ハイパフォーマーは、たとえその行動の結果に恐怖や、高いリスクや、不確実性を感じても、総じて、行動に出る傾向が強いということ。この10年、数多くのハイパフォーマーの話を聞いてきた私はこう結論づけている。

 人には、自分ではやってみるまで予測もできず、けっして知り得ないような、すごいことをやってのける能力がある