また、否定されることを恐れながら行動を起こすことも、そのすべてが勇敢とは言えない。たとえば、ティーンエイジャーが、仲間に受け入れられるために、高いベランダから飛び降りる危険行為は勇敢に思えるかもしれない。だが承認されたいがために怖さを乗り越えるというのは、勇敢と言えるだろうか?一部の人はイエスと言うかもしれないが、ただの同調とか愚行と言う人もいるだろう。

 そして、大胆な行動をとること=勇気とも限らない。しそうだと思われていることをしないのも勇気だ。その好例が、非暴力デモだ。売られたケンカを買わずに立ち去って自分の身体を守るのも勇気。弱腰に見られようとも言い争いに加わらないのも、自分の品位を保つためなら、勇敢な行動だ。

 きれいごとに聞こえるかもしれないが、定義というのは重要だ。勇気とは、多くの人が思っているように、恐怖を乗り越えることのみを指すのではない。勇気を出したその先に、あなたがどんな結果を求めているかが非常に重要だ。また逆に、良かれと思ってしたことでも、結果的に誰かを傷つけてしまえば、それも勇敢な行動とは見なされないだろう。