「周囲がイエスマンばかりならいいのに……」そう思っているリーダーも少なくないだろう。だが、実際に組織にいるのは、忠実なメンバーばかりではない。依頼に対して反発する人や、自分より経験や知識が豊富で一筋縄では行かない年長者もいる。しかし、そんな人たちこそ、組織を活性化させる立役者となりうるのだ。これまで、多くの組織でプロジェクトを成功に導いてきた著者が、年長者やクセ者を動かす方法を伝授する。※本稿は、木部智之氏『リーダー1年目のマネジメント大全』(三笠書房)の一部を抜粋・編集したものです。
チームプレーができない人に
嫌な気持ちを抱くのは当たり前
ひとクセあるメンバーといえば、誰しも頭に思い浮かぶ人物がいるでしょう。我が強かったり、自立心や自尊心が高かったり。優秀ではあるけれど、チームプレーが苦手なメンバー。リーダーとなったあなたに嫉妬心を持っているメンバー。そんな人に対して、いいイメージを持つことはもちろん、普通に接することができるという人は少ないと思います。できれば、なるべく接触を避けたい相手ですよね。そのようなメンバーとのコミュニケーションは、少しエネルギーを使います。
「嫌だなぁ、あの人とはあんまり話したくないなぁ……」
私からアドバイスすると、こういう思いを押し殺す必要はありません。だって嫌なんですから。自分が相手に対して、苦手意識を持っていることを素直に認めましょう。
しかし、だからといって、避け続けることもできないので、リーダーとしてはこのようなメンバーとも一定のコミュニケーションを取らないといけません。
クセのあるメンバーへの
4つのアプローチ
クセのあるメンバーとのコミュニケーション・アプローチには、次の4つがあります。
これはひたすら相手に合わせる、まさに腫れ物に触るようなコミュニケーションです。相手が不機嫌にならないように、あまり突っ込んだ会話をしないようにと、本当に表面的なコミュニケーションにとどめるやり方です。このアプローチを取る相手は、毒にも薬にもならないようなメンバーか、こちらが折れてまで活躍してほしいほどの高いスキルを持ったメンバーのどちらかです。