ハイパフォーマーたちが
口にしない言葉とは

 私が聞かせてもらった話は、驚きのストーリーばかりだった。1人のハイパフォーマーが、疑念や恐怖に直面するも、一念発起して誰かを助けたりする。彼らの勇気は、最初から持ち合わせていたわけでも、思索の末に見いだしたわけでもない。行動が、彼らの心を目覚めさせ、道筋を開いたのである。

 彼らは、いつかの未来を願っていたわけでもなく、うじうじと悩んだりもせず、ただ行動した。行動せずに良い成果をあげたいと願うのは、助けを求めずに助けを願うのと同じだとわかっていたのだ。

 また、人生の進路を変えた人たちの話もたくさん聞いた。勇気を出して仕事を辞めた、虐待的な関係から抜け出した、新しい町へ引っ越した、というエピソードだ。勇気ある行動というと、一歩前に踏み出すことをイメージしがちだが、ある意味後戻りする勇気を奮ったという人も多かった。昔あきらめた夢を追いかけるといった話だ。夢をいったんあきらめても、あなたの心が達成したかったと思い焦がれているなら、その苦しみを癒すのは行動しかない。軌道修正に遅すぎるということはない。