出世する人は、「ゴルフ場」での会話を通じて、どうしたら自社の製品やサービスが選ばれやすくなるのか、何が足らないのか。あるいは他にビジネスチャンスがあるかどうかなど、他のライバル企業には教えないことをこっそりと「ささやいて」もらえるように関係を深めています。

 特にお客さんはこちらが提供している製品やサービスの悪い点は言いにくいものです。そのような言いにくいことを少しでも言いやすくする関係性を作ることでライバルに差をつけ、最終的な取引獲得にこぎつけるのです。

 これが接待ゴルフの最大の武器です。

「ゴルフをするライバル」に本当に勝てるか?

 自分の胸に当てて考えてみてください。仮に自分がゴルフをせず、他のライバル企業が上記のような接待ゴルフを繰り広げていた場合、ライバルに勝てる確率は果たして高いと言い切れるでしょうか。

 もちろん、冒頭に話した通り、他者にはない圧倒的な努力の上でライバルにうち勝つことは十分可能です。では、その努力は果たしてコスパが高いと言えるでしょうか。

 このように、JTCでゴルフなしで出世するのと、ゴルフありで出世するのとでは、超えなければいけないハードルの高さとコスパが段違いに違うのです。

 もしあなたがJTCにいて、それでもゴルフをしないのであれば、それは個人の自由です。しかし、ゴルフをやったほうが出世の確率が高まることそれ自体は理解はできるのではないかと思います。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の著者による特別な書き下ろし原稿です)