どんなに仕事で成果を出しても、周りから「評価」されなければ無意味である……あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。新刊『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化した歴史的な一冊だ。最短出世中・現役メガバンカーのたこす氏による「実力を適切にアピールする「見せ方」の技術」をまとめた本書は、発売直後から「こんな本が30年前に欲しかった」「今までにない知恵がつく」「上司には絶対に見せられない」と話題沸騰中である。今回はその中から「パワハラ系上司がなぜ出世してしまうのか」についてお伝えする。(執筆・たこす/取材・構成=ダイヤモンド社・榛村光哲)

職場にいる「パワハラ系上司」がそれでも出世するのはなぜ? その本当の理由<最短出世中・現役メガバンカーが教える>Photo: Adobe Stock

出世する上司の「パワハラしないで厳しくする」テク

 僕の勤めるメガバンクでは2000年代初頭は本当に劣悪な環境だったと聞きます。職場でタバコを吸いながら仕事をする人がほとんどで、パワハラやセクハラも当然のように横行していたそうです。今でもその名残で、パワハラのことをパ・リーグ、セクハラのことをセ・リーグ、その両方を総称して日本リーグと呼んだりする文化があります。

 令和の時代になってからは、特にセ・リーグの方はほとんどが銀行から退場しましたが、まだパ・リーグの選手はいくつかの拠点では残っています。

 パワハラと指導の境界についてはネット上で何度も話題になっています。「パワハラ上司」は当然NGですが、最近のメガバンクの管理職には「絶妙にパワハラにならないレベル」で部下に厳しくする「パワハラ系上司」が存在します。そして実はそういった人はうまく出世するようなケースが多いです。

 ここでは、出世していく管理職がどのようにして部下に厳しくしているのか、その謎について僕なりの知見をお話しします。