何が私をそこまで苛立たせているかというと、義父の甘えである。昨年の年末、義理の両親は新型コロナウイルスに感染し、義母は軽症で済んだものの、義父は高熱を出して意識が朦朧とした。ケアマネさんに訪問看護師を派遣してもらい、発熱外来に運び込んだ。その時の義父の行動が、ずっとずっと私の心に引っかかっている。そして消えない。
一番可哀想なのは
いったい誰?
高熱が出て、息も絶え絶えになった義父を見た看護師さんは、救急車を手配しようとした。しかし、当時はとにかく患者数が多く、救急車を手配してもらうことはできなかった。
仕方がないので、私と訪問看護師さんで、意識が朦朧としていた義父を担いで、私の車の後部座席に運び込んだ。義父は一切体に力が入らない状態で、両足を引きずってようやく車に運び入れたのだ。しかし義父は、私たちがゼエハアいいながら彼を車に運び込んだあと、義母の身支度を整えるあいだに、自分で車を降りてスタスタと軽快に歩いていたのである。