変化が激しく先行き不透明の時代には、私たち一人ひとりの働き方にもバージョンアップが求められる。必要なのは、答えのない時代に素早く成果を出す仕事のやり方。それがアジャイル仕事術である。『超速で成果を出す アジャイル仕事術』(ダイヤモンド社)は、経営共創基盤グループ会長 冨山和彦氏、『地頭力を鍛える』著者 細谷 功氏の2人がW推薦する注目の書。著者は、経営共創基盤(IGPI)共同経営者(パートナー)でIGPIシンガポール取締役CEOを務める坂田幸樹氏。業界という壁がこわれ、ルーチン業務が減り、プロジェクト単位の仕事が圧倒的に増えていくこれからの時代。組織に依存するのではなく、私たち一人ひとりが自立(自律)した真のプロフェッショナルになることが求められる。本連載の特別編として書下ろしの記事をお届けする。

外部パートナーのせいにしてばかりで「結果を出せないリーダー」に欠けている1つの視点とは?Photo: Adobe Stock

タテの関係からヨコの関係へ

 現代のビジネス環境において、企業は広告代理店やIT企業、コンサルタントなど、様々な外部パートナーと連携する機会が増えています。この中で、常に結果を出すリーダーがいる一方で、結果を出せず、それを外部パートナーのせいにしているリーダーもいます。

 両者の違いは、いったいどこにあるのでしょうか。

 現代のビジネス環境において、プロジェクトの形態は大きく変わってきています。業界の垣根がなくなりつつある今、これまでのプロジェクトが発注元と受注先という「タテ」の関係だったのに対して、現代のプロジェクトは対等な「ヨコ」の関係に変化を遂げつつあります。業界横断的な企業の誕生や、異業種からの競合参入も珍しいことではなくなりました。

 結果を出すリーダーは、この変化をいち早く理解し、外部パートナーを対等な存在として扱い、共に目標を達成する関係を築くことを意識しています

共創型パートナーシップの重要性

 成功するリーダーは、単にパートナーに指示を出して作業を依頼するのではなく、互いの強みを引き出し、協力して新たな価値を生み出すことに重きを置いています。共創型のパートナーシップは、競争力を維持し、新しい価値を創造しイノベーションを生み出すために不可欠な要素です。

 それに対して、結果が出せないリーダーは、従来の主従関係に固執しがちで、コミュニケーションも一方的になりやすいです。そのため、パートナーのアイデアや提案を十分に引き出せず、最終的にチーム全体の成果に悪影響を及ぼすことも少なくありません。

パートナーとの連携を成功させる鍵

 これからのビジネスでは、外部パートナーとの連携において主従関係ではなく、共に価値を創造する共創型の「ヨコ」の関係性を築くことが不可欠です。

 パートナーを対等な存在と捉え、互いの強みを最大限に活かしながら共にゴールに向かって進む姿勢が、ビジネスの成功の鍵となります。

『アジャイル仕事術』では、共創力や連携力をバージョンアップするための技術をたくさん紹介しています。

坂田幸樹(さかた・こうき)
株式会社経営共創基盤(IGPI)共同経営者(パートナー)、IGPIシンガポール取締役CEO
早稲田大学政治経済学部卒、IEビジネススクール経営学修士(MBA)
大学卒業後、キャップジェミニ・アーンスト&ヤングに入社。その後、日本コカ・コーラ、リヴァンプなどを経て、経営共創基盤(IGPI)に入社。現在はシンガポールを拠点として日本企業や現地企業、政府機関向けのプロジェクトに従事。細谷功氏との共著書に『構想力が劇的に高まる アーキテクト思考』(ダイヤモンド社)がある。『超速で成果を出す アジャイル仕事術』(ダイヤモンド社)が初の単著。