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【精神科医が教える】自分が潰される前に…無自覚にパワハラする人への6つの予防法Photo: Adobe Stock

パワハラへの対処法

今日はパワーハラスメント(パワハラ)の対処法についてお話ししたいと思います。

近ごろ、某地方自治体の首長の“パワハラ疑惑”が連日取り沙汰されていますが、実はアテクシ自身、若い頃の研修医時代にパワハラを受けた経験があります。

当時は今と違ってパワハラという概念が一般的に認識されておらず、上意下達の徒弟制度のような面もあり、対処する知識も度胸もありませんでしたが、今回はその経験も踏まえてお話しします。

パワハラを予防する6つの対策

パワハラというものは、概して個人的な環境で起きると考えています。力を持つ人と持たない人が、密室や狭い職場環境にいるときに発生しやすいのです。

広く情報が共有されていれば、パワハラは起きにくくなります。そして、パワハラを予防するためには、以下の6つの対策が効果的です。

1. なるべく1対1の対応を避けるパワハラを起こしそうな人とは、できるだけ他の人がいる場所で対応しましょう。

2. 記録をとる習慣をつける相手の言動を記録することで、後々の証拠になります。

3. 相手の発言をくり返す「こういうことをおっしゃっているのですね」と確認することで、相手に自分の言動を意識させます。

4. めんどくさい相手だと思わせるいちいち確認し返すことで、パワハラのターゲットになりにくくなります。

5. 周りに人がいる場所にいる個別での対応を避け、証人となる人がいる環境を選びましょう。

6. 言いづらいことも伝える「これは少し言いづらいのですが……」と前置きすることで、相手に配慮をうながせます。

パワハラをする人には自覚がない

パワハラをする人の多くは自覚がありません。自分の行動を当たり前だと思っていたり、指導の一環だと考えていたりします。

だからこそ、パワハラをしづらい環境を予防的につくることが大切です。100%の予防は難しいかもしれませんが、上記の対策を実践することで、ある程度の効果が期待できます。

また、パワハラをする可能性が高い人がいる職場では、思い切って異動を申し出ることも選択肢の一つです。なにより自分の身を守ることが大切です。これらの対策が少しでも参考になれば幸いです。