「静かで控えめ」は賢者の戦略──。そう説くのは、台湾出身、超内向型でありながら超外向型社会アメリカで成功を収めたジル・チャンだ。同氏による世界的ベストセラー『「静かな人」の戦略書──騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』は、聞く力、気配り、謙虚、冷静、観察眼など、内向的な人が持つ特有の能力の秘密を解き明かしている。騒がしい世の中で静かな人がその潜在能力を最大限に発揮する方法とは? 同書の著者に秘訣を教えてもらった。(構成/ダイヤモンド社・秋岡敬子)

頭のいい人がやっている「人間関係」が急にラクになるコツ・ベスト1Photo: Adobe Stock

Q.人間関係がうまくなるコツは?

――長く深く付き合える友人をつくろうとすると、その人ひとりだけに依存してしまい、つい他の人と人間関係を広げることが億劫になってしまいます。誰かに依存しすぎずに人と交流するコツはありますか?

ジル・チャン氏(以下、チャン氏) 私も若いときはそうだったので、その気持ちがとてもわかります。

 いい人間関係をつくるコツは2つあると思います。

 まず一つ目は、無理をして友人関係を広げないことです。「無理に誰かを好きにならなくてもいいんだ」と考えて、自分にとって心地のいいかたちで友人づくりをしてほしいです。そのうえで、人間関係を広げるために仕事や趣味、インターネットを利用するのはいいことだと思います。

 そしてもう1つは、自分で勇気を振り絞って友だちをつくってもうまく行かなかったときに、それを自分のせいだと思わないことです。

こう考えれば、人間関係がラクになる

チャン氏 人生は電車に乗っているようなものだと捉えてください。

 電車ですから、つねに誰かが乗ってきては自分の隣に座ります。それが気の合う相手でも、いつかは降りてしまうかもしれません。

 一方で、気の合わない人と隣り合わせることもあります。でも、たんに他人が隣り合わせているだけ。そんな相手もいずれは降りていくわけです。 

 いずれにせよ、人生という電車では仕方のないこと。必ずしもすべて自分でコントロールできるわけではないんです。

 私は人間関係においては、シンプルに、自分が心地いいと思える人と少しでも長く、一緒に時間を過ごせることが大事だと思っています。

 人間関係が難しかったり、トラブルが生じたりしたときも、ある程度割り切って、できるだけラクに考えるようにしましょう。

 簡単ではないかもしれませんが、自分を責めることなく、「人間関係に義務はない」「必ずしも、みんなと無理に仲良くする必要はない」ということを思い出してください。

※本記事は、『「静かな人」の戦略書』の著者に話をうかがったものです。