トップ5は大手商社が独占
三菱商事と伊藤忠で首位が逆転

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、全業種のうち卸売業のみを対象に、「年収が高い商社・卸売企業ランキング2023」を作成した。

 本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ。単体の従業員数が100人未満の会社は除外している。対象期間は、2022年5月期~23年4月期。

 早速、ランキングを確認していこう。

 上位5位までを、大手商社が占める結果となった。

 1位が三菱商事で、平均年収は1939.4万円。2位は三井物産で同1783.6万円だった。23年8月に公開した同様の趣旨の記事『年収が高い商社・卸売企業ランキング2022最新版』では、三菱商事は2位、三井物産は3位だったので、どちらも順位を一つ上げた。

 一方、22年版で1位だった伊藤忠商事は、今回は3位に下がり平均年収は1730.1万円だった。同様に22年版で4位だった丸紅は、今回は5位に下がり平均年収は1593.9万円。代わって今回、4位にランクインしたのが住友商事で平均年収は1605.7万円だった(なお、22年版では5位)。このように、トップ5にならぶ顔触れは大きくは変わらないものの、逆転劇が起きている。

 注目したいのは、伊藤忠商事と丸紅は順位が下がったといっても、年収は上がった点だ。伊藤忠商事は150.3万円(前期比9.5%増)、丸紅は124.6万円(同8.5%増)も年収が増えている。それでも逆転劇が起きたのは、三菱商事が380.5万円(同24.4%増)、三井物産が234.5万円(同15.1%増)と、ライバルを凌駕(りょうが)するほど大きく年収を伸ばしているからだ。