賃上げの嘘!本当の給料と出世#7Photo:PIXTA

大手企業を中心に「賃上げ」を巡るニュースが連日報じられている。だが、実態は、“恩恵”を受けている人ばかりではない。ダイヤモンド編集部は、企業の与信管理を支援するベンチャーが集めた大量のインターネット上の口コミデータを基に、給与に関する従業員の不満が多い企業のランキングを作成した。特集『賃上げの嘘!本当の給料と出世』の#7では、投稿数が多かった企業のトップ10を紹介する。(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希)

賃上げ率は32年ぶり高水準も
従業員の「給与不満」ランキング

 32年ぶり高水準――。経団連は5月20日、大手企業の2024年春闘の1次集計結果を公表した。定期昇給とベースアップ(ベア)を合わせた賃上げ率は5.58%となり、昨年の3.99%を大きく上回った。賃上げ率は1992年以来、32年ぶりの高水準となる。昨年に続いて歴史的ともいえる高水準の賃上げが実現した格好だ。

 平均引き上げ額も昨年の1万3110円を上回る1万9480円となった。組合員の加重平均で算出する現行の集計方法では76年以降で最も高い引き上げ額を記録した。

 ただし、賃上げの“恩恵”は幅広く及んでいるとは言い難いのが現実だろう。大企業と中小企業の間には大きな格差が存在するほか、企業の中でも世代や役職によって賃上げ幅は変わるからだ。では、給与に対する企業の従業員の本音とは。

 ダイヤモンド編集部は、企業向けに与信管理サービスを提供するベンチャー企業、アラームボックス(東京都新宿区)のデータを基に、同社の調査対象企業に関連するインターネット上の「勤務関連」の口コミ投稿のうち、「給与」「給料」「賞与」「ボーナス」「賃上げ」のいずれかの単語を含む2243件を抽出。口コミ内容を確認して給与に対してはネガティブでない投稿を除外し、企業別に投稿数でランキングした。

 対象期間は賃上げ機運が高まってきた昨年から今年の春闘の動きも踏まえた23年1月1日~24年5月7日とした。投稿数は、従業員数の多い大企業が上位に入りやすい傾向がある。

 トップ10には保険大手やアパレル大手、小売業大手、介護大手、鉄道大手のほか、IT人材派遣会社など幅広い業種の企業が名を連ねた。2位となったのはJR東日本。1位はどこか。

 次ページでは、トップ10の企業名と投稿数を明らかにするほか、給与に対する具体的な不満を表した投稿の内容も紹介していく。