FRB利下げ開始でドル円相場は「25年末130円台半ば」、日米金利差縮小は緩慢Photo:JIJI

FRB、労働市場の悪化を警戒
「年内0.5%、25年1%」追加利下げ?

 米連邦公開市場委員会(FOMC)は9月17日~18日、政策金利を通常の倍の0.5%引き下げる決定を行った。2020年3月以来、4年半ぶりとなる利下げとなる。

 背景には、インフレは鈍化基調が継続し、インフレの高止まりに対する警戒感が後退する一方、雇用関連指標は弱い指標が出てきていることが挙げられる。

 パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、会合後の会見で、労働市場の悪化に「後れを取らないため」に0.5%の利下げを決定したと説明した。

 利下げを受けて、NYダウは史上最高値を更新、日経平均株価も19、20日と上昇し3万7000円台となったが、為替市場の反応は総じてみれば冷静で、大きな混乱はなかった。

 ドル円は今後、どうなるか。1ドル=161円台となった歴史的な円安、さらにはその後の円高への流れに日米の金利要因が影響してきたが、FRBの今後の利下げペースは緩やかになると予想され市場はすでにそのことを織り込んでいる。日本銀行の金利正常化は進むとしても、日米の金利差縮小は緩慢だ。

 円高基調は続くが、円高が大きく進む可能性は少ないと考えられる。