日銀「次の利上げ」は円ドル相場と利下げ後の米国経済次第、9月会合は様子見参院財政金融委員会に臨む鈴木俊一財務相(左)と植田和男日銀総裁=8月23日、国会内 Photo:JIJI

FRBは4年半ぶり利下げ決定の見通し
日銀、9月会合は政策変更はなし

 今月17、18日にはFRB(米連邦準備制度理事会)の9月FOMC(米連邦公開市場委員会)と、日本銀行の19、20日の金融政策決定会合が相次いで開かれる。

 FRBはパウエル議長が予告したように4年半ぶりの利下げ開始を決めることが確実視される。一方、日本では株式市場などが落ち着きを取り戻したまでとはいえない状況で、日銀は9月決定会合では、賃金と物価の好循環が進んでいることを確認しつつも、政策は据え置き、内外経済や金融市場を注視する姿勢を示す可能性が高い。

 株式市場等の不安定な地合いの背後には、米国の景気後退懸念がある。従って、日銀の「次の利上げ」も、米国経済やFRBの金融政策の行方にかかっているといっても過言ではない。

 とりあえず、今月のFRBの利下げ幅、パウエル議長の発言や、それを為替市場や株式市場がどう受け止めるかが注目される。

 そもそも日銀の7月利上げの“深層”をみると、7月前半までの歴史的円安への対応が真の狙いだった可能性が高い。今後も、日銀の政策は為替に左右されるとみられ、その為替に大きな影響を及ぼすのが米国経済だ。

 米国経済には、インフレ再燃と景気後退の上下両方向のリスクがあるだけに、日銀の次の利上げを考える上で今後の行方に目が離せない。