ドル円は9月150円へ反発も一時的、25年末「130円」方向の円高の下限は?Photo:Bloomberg/gettyimages

日米ともに金融政策予想を修正
ドル円年末予想を146円に下方修正

 米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始時期が9月となる可能性が高まったことや、7月の金融政策決定会合にて日本銀行が市場の見込みに比べタカ派姿勢を強めたことから、ドル円は7月3日に付けた162円ちょうど近辺をピークに、一時141円台後半へと10%超の下落となった。

 これまで筆者は、FRBの利下げ開始時期を今年12月とし、日銀の今後の利上げ幅は10ベーシスポイント(bp)ずつとみて、ドル円の9月末予想を160円、12月末予想を155円としていた。

 もっとも、7月の日米それぞれの金融政策決定会合の結果を踏まえ、FRBの利下げ開始時期を今年9月(25bpの利下げ)、日銀の今後の利上げ幅を25bpずつへと予想を修正した。日銀の内田副総裁が8月7日、「金融市場が不安定な状況で利上げをすることはない」など追加利上げ期待を後退させる発言をしたが、金融市場の混乱(特に株安)が一服すれば、日銀は今年12月の追加利上げを妨げないとみている。

 また、米10年債金利の予想経路を下方修正した一方で、日本の10年債金利の経路を上方修正するなど予想の諸前提も修正した。

 そしてドル円が200日移動平均線や90週移動平均線といった長期上昇トレンド線を下回ったことなどを勘案し、ドル円の先行き予想を9月末時点で150円、12月末時点で146円とした。