意地悪なことをしてくる理由が分かると、こちらの気分も少し楽になります。例えば、何か不幸なことがあった、家族とうまくいっていなくて毎日辛い思いをしていた、仕事で大きな失敗をしてしまった、重い病気にかかっていた、といった理由で余裕がなくなり周りに当たっていたのだと分かれば、少しは寛容になろうと思えるかも知れません。

 そこで、そういった理由の背景をもう少し広げて見てみると、その人たちには、“どうして自分だけが”といった怒りが渦巻いていたり、誰かに対する強烈な嫉妬心をもっていたり、自分を愛する気持ちが強すぎたり、異常な所有欲をもっていたり、常識とはかけ離れた固定観念をもっていたり、大きく判断を誤っていたり、といった生きづらさや苦悩があるのが分かります。

幸せを追求しすぎて
他人を不幸にするなかれ

 ではなぜその人はそういった生きづらさや苦悩を抱え込んでいるのか。その本質の背景にあるものは何なのか。そういった人たちにも、そうでない人たちにも共通していることは何なのか。私はずっとそれを考えてきました。そして「これこそが」と私が強く確信したのが、

「みんな幸せになりたい」

 という思いなのです。