東京メトロの上場が承認されました。10月23日に東証プライム市場に上場する予定です。しかし、今回の上場はあまり東京メトロの成長には関係しないかもしれません。そこで今回は「もしも常識を無視して発想する外国人投資家がメトロの最大株主となったら?」という前提で、東京メトロの成長戦略を思い切って想像してみましょう。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)
東京メトロが東証プライム市場に上場予定!
株価は上がるのか…?
東京メトロの上場が承認されました。10月23日に東証プライム市場に上場する予定で、想定売り出し価格は1株1100円。そこから算出した時価総額は6400億円という大型上場になりそうです。
投資家の関心は、株価が上がるのかどうかでしょう。1株1100円と来期の業績予想から予想PERを計算すると12.2倍で、これは首都圏の私鉄では京王、東武、相鉄とほぼ同じ水準です。
妥当な水準といえば妥当ですが、首都圏の私鉄にはその上もいます。不動産開発で伸びている東急や西武ほどはいかないにせよ、仮に小田急と同じPER15.5倍までは行くと考えたら上場後に株価1400円ぐらいは期待してもいいかもしれません。
とはいえ投資家の皆さんに注意喚起をしておきますと、今回の上場、あまり東京メトロの成長には関係しないかもしれません。
というのもこれまで合計で100%株主だった国と東京都が、それぞれ持ち株を売り出して、合計で50%が市場で売買されるだけで、東京メトロには上場での新規の投資資金は入ってこないのです。