仮のゴール:
JR東日本に匹敵するライバル会社を目指す
首都圏の私鉄の競争地図は戦後の長期にわたりある意味で停滞しています。
上場企業で東京都内を起点とする7つの主要私鉄がそれぞれ5000億円から1兆円程度の時価総額で群雄割拠し、今回そこに東京メトロが8社めの上場私鉄として加わります。
一方で、圧倒的なガリバーとなっているのが時価総額約3.3兆円のJR東日本。ドル箱の山手線と、そこから放射状に延びる首都圏の在来線を擁します。
さらに東北、上越、北陸の3新幹線とそれに接続する北海道、秋田、山形の各新幹線は、広域からの旅客を首都圏に流入させる一方で、首都圏の旅行客を地方都市へと送り込みます。
しかもJR東日本は旧国鉄時代からの不動産資産にも恵まれ、不動産、商業、ホテルなど関連事業においても大きな成長を遂げている。まさに首都圏の鉄道事業の巨人です。
もし東京メトロがこのJR東日本一強の状況にくさびを打ち込んで、首都圏における鉄道会社のツートップを目指すように海外の株主から要求され、それに応えるとしたら、どのような戦略が成立するでしょうか?
それを3つのステップに分けて考えてみたいと思います。