猛暑の終わりが見えはじめ、ようやく秋の気配がただよってきた。
これからの時期に注意したいのが「イノシシとの遭遇」だ。イノシシはふだんはおくびょうな性格だが、ケガをしているときや子連づれの時期は狂暴になることもある。秋から春にかけては繁殖・出産の季節なので、この時期は危険度が増すのだ。しかもイノシシは、山だけでなく、住宅街にも出没する。
もし、突然イノシシに出合ってしまったら、どのように身を守ればいいのだろう?
そんな疑問にこたえる本『いのちをまもる図鑑』(ダイヤモンド社)が発刊された。危険生物から身を守る方法から、災害時の対応、ケガの応急手当てまで。命を守る方法が網羅的に紹介されている。
今回の記事では『いのちをまもる図鑑』の中から「イノシシに出合ったときの対処法」を紹介する。
(構成/ダイヤモンド社・金井弓子)
イノシシの被害は後を絶たない
人間がイノシシに襲われる事件は毎年、日本中で起きています。
2021年には兵庫県の山中でイノシシにかまれた男性が用水路に引きずりこまれて亡くなり、2022年には広島県の住宅街で男女4人が突進されてケガをしました。
【助かるには…】イノシシに突進されたら、高いところによじ登る
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イノシシに遭遇したら、高いところに登って逃げましょう。
イノシシは高さ1mくらいの障害物ならジャンプで飛びこえられますが、それ以上高い木やフェンスの上などには登ってこられません。
人間の食べ物ほしさにカバンを狙うこともあるので、まずは荷物を遠くへ投げて気をそらし、そのスキに高いところによじってイノシシがあきらめて去るのを待ちましょう。
【これはNG①】背中に手をついて飛びこす
イノシシは股のあたりに突進してくるので、飛びこす瞬間にするどいキバで股の大血管を切りさかれるおそれがあります。
【これはNG②】正面から立ち向かう
正面から立たち向かうイノシシは時速45kmの速さで突進してくるので絶対にはね飛ばされますし、かまれるおそれもあるのでやめましょう。
(本稿は、『いのちをまもる図鑑』から一部抜粋・編集した内容です。)