娘は家族全員の朝食を中学生の頃から作っていましたし、大学受験の浪人中はほとんどの家事を任せて彼女が担っていました。本人は「不幸な私は、灰かぶり姫のようにお母様のお世話をしなければならない……」と、芝居がかったセリフを言っていましたが(笑)。
あらゆる脳の部位を駆使しなければできない家事は、絶好の脳育ての機会、脳トレになります。多種多様な家事をこなすには、時間配分を考えなければなりませんし、いくら料理が好きでも1日中台所に立っていては、受験勉強の時間が確保できない。できるだけ短い時間で効率よくこなすにはどうしたらいいか、脳をフル活用しての工夫が必要です。
親としても、浪人生の娘に家事を任せるというのは、相当な覚悟が要りました。もし家事が負担になって、もう1年浪人するようなことになったら、きっと親として後悔するだろう、と怖かった。それでも信じようと覚悟を決めて、任せたのです。