それなのに多くの親御さんは、受験する前から子どもに「公立中学は良くないから私立を受けようね」と、選択肢を潰し、公立中学がいかにダメかを吹聴している。それでは自分も子どもも苦しくなるに決まっています。さらには、親のほうが「全部落ちたら地獄だ」「ママ友からどんな目で見られるかわからない」「私のプライドがへし折られる」などと思い込んでいる。子どもを自分の小道具に使ってしまっている悪例です。

 子どもの受験は家庭生活外の問題です。つまり親のあなたと我が子の受験はまったく関係がないのです。それなのに、子どもの合否と自分のプライドを一体化し、共依存に陥っている。それこそが大きな問題だと思います。

「失敗力」の育成は
将来必ずプラスになる

 中学受験に臨む親が押さえておくべき基本のスタンスは、

(1)子ども自身が「この学校は楽しそうだから行きたい」と前向きに言っている、

(2)塾代や授業料を出せる経済的余裕がある、

(3)落ちたら公立に進むことも折り込み済み、

(4)子どもの合否は親の私とは関係ない、

 この4つです。これらを心得ていないと、親子関係にトラブルが起きてきます。