――では、ビジネス会食が必要なのは、どのタイプの営業でしょうか?

今井 「最初からターゲットが限られている営業」です。つまり直販で言うと、【①アカウント営業】ですね。あの手この手を使ってターゲット顧客を獲得する必要があるので、会食がとても重要です。逆にターゲットが限られていない営業は「オンラインで1日10件商談しよう!」という世界なので、毎回会食をやっていると採算は合わないんです(厳密には、【②プロダクト営業】でも特定のアカウント顧客を対象に大手企業営業や大型商談をする場合は会食などを実施するケースはあります)。これは当たり前のようですが、結構見逃している人は多い印象ですね。

同じ製品でも「この人から買いたい」と思う人の1つの特徴

今井 いまはアカウント単位のビジネスが注目されています。なので、大手企業をどうにかして攻略しなければならないと考える営業組織が増えてきています。

yuuu 大手企業を開拓する武器として、「会食」は非常に使える手段だと思っています。なぜなら、営業の意思決定では、結局担当者自体が人として好きかどうかみたいなところで決まることが、十分あり得るからです。書籍でも書いていますが、「個人として信頼できるかどうか」を判断してもらう場として、ビジネス会食は超有効なんです。

 100%勝てるプロダクトは世の中にほぼ存在しません。ビジネス会食の技を身につけておけば、ある意味、プロダクトを超えるほどの個人としての存在感を発揮できるでしょう。

今井 『Sales is』は②プロダクト営業について書いているので、会食の内容は載せませんでした。必須ではなかったので。しかし、大手企業から契約をいただく①アカウント営業の場合には、「他の会社と違う、この営業パーソンに相談したい・発注したい」と思ってもらえるような「一味違う行動」を取らなければなりません。

 その行動のひとつとして、会食は絶大な効果を発揮します。そのため、「ビジネス会食スキル」は必ず学んでおいたほうがいいと、僕は考えています。

(本稿は、『ビジネス会食完全攻略マニュアル』の著者・yuuu氏と『Sales is』の著者・今井晶也氏への対談インタビューをもとに構成したものです)