【社説】日本の新首相をどう見るかPhoto:Anadolu/gettyimages

 世界第3位の経済大国であり、米国の重要な同盟相手でもある国に新たな指導者が誕生することは、世界的に重要な出来事だ。たとえその国が日本であってもそう言える。これまで日本の首相には、時折スター指導者が現れるものの、平凡でおおむね無名の人物が就いてきた。石破茂氏はどちらのタイプになるだろうか。

 石破氏は9月27日、自民党の新総裁に選出された。自民党主導の連立与党が衆参両院で過半数の議席を占めていることから、同氏は10月1日に首相に就任した。就任後に早速、国民の負託を背景とした自らの権限を強化するため、衆議院を解散して今月27日に総選挙を行うと表明した。これにより日本政治は混乱が続くだろう。

 9人の候補で争われた総裁選は、自民党派閥の裏金事件を受けて岸田文雄前首相が辞任の意向を表明したことで始まった。石破氏の当面の政治課題は、立憲民主党の野田佳彦代表との厳しい競争に臨みながら、自民党に対する国民の信頼を取り戻すことだ。