石破政権は株価急落の波乱の船出も、日経平均株価「4万円」の回復シナリオとはPhoto:Pool/gettyimages

10月1日、自民党の石破茂総裁が首相に選任された。石破政権は株価急落、円高進行といった波乱の船出となった。しかし、これは高市早苗首相の誕生を織り込んで進んだ株高・円安の剥落に過ぎない。実は、石破政権の政策のかじ取り次第では、日経平均株価が4万円台を回復するシナリオも存在する。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

手荒い洗礼を浴びた石破茂首相
「高市首相」期待の株高が剥落

 1日に首相に選出された石破茂氏は自民党総裁に就任早々、市場の手荒い洗礼を浴びた。9月30日、日経平均株価は、前週末比1910円1銭安の3万7919円55銭で引けた。史上5位の下げ幅だ。一方、円高が進行し、円の対ドルレートは一時20日以来の1ドル=141円台を付け、株価下落の要因の一つとなった。

“石破ショック”と言いたいところだが、市場の受け止め方は異なる。それは、石破首相が市場に嫌気されたのではなく、高市早苗首相誕生への期待分が剥落したにすぎないからだ。

 自民党総裁選挙のさなか、円の対ドルレートは金融緩和、低金利路線の継続を主張する高市氏が有力候補として浮上するにつれて値を下げた。日本銀行の追加利上げが困難になると予想されたことが円安圧力となった。総裁選の1回目の投票で高市氏がトップに立った瞬間には146円台を付けた。それが、決選投票での石破氏の当選で反転し、10日前の水準に戻った形だ。

 株価も同様だ。高市氏が掲げた積極財政路線と円安進行を好感し、26日と27日の2日間で日経平均は1959円30銭値上がりした。30日の値下がり幅とほぼ同じである。

 では石破政権で今後の為替相場、株価はどうなるのか。