優秀な人は本当の目的を見失わない

 対して、優秀な人は本当の目的を見失うことはありません。先ほどのデジタル推進の例で言えば、「働きやすい環境」を目的に据えますし、営業などであれば売上数字だけではなく、会社の方針を理解したうえで戦略を立てます。

 当然、まわりの人からも信頼されますし、本人も成長できるでしょう。

 これは、ビジネスの世界だけでなく、私のいるお笑いの世界でも同じことが起こります。若手芸人の「ネタ見せ(練習)」を見ていると、講師やスタッフに向けてネタをやってしまう人がたくさんいます。きっと無意識なんでしょうが、そのまま磨かれていったネタは私たちに最適化されてしまうので、舞台で通用するかはわかりません。

 大事なのは講師がいようがスタッフがいようが、その奥にいる舞台のお客さんをどれだけイメージできるかです。

 そのことを理解している芸人は、ちいさなリハーサル場でも舞台の奥まで届くような声量でネタをやりますし、ネタそのものも講師向けの言葉ではなくお客さん向けの言葉にします。当然、早く舞台にも立てるようになります。

 このようにして、目の前にある仕事がなんのためのあるのか、「目的」を見失わないことがなによりも重要です。

 おわかりの通り、ちょっとした意識で実践できることですので、頭の片隅に入れておいていただけますと幸いです。