そこはかとなく漂う
「平成のオヤジ」への目配せ
前述の3点ほど特徴的な部分ではないし、初週だけの感想となるかもしれないが、なんとなく感じたのは「平成のオヤジ感」である。
主題歌がB'zであることには若干驚いた。ただ、平成半ばから始まる物語であることを考えると、これは自然なのかもしれない。
『虎に翼』は、中性的な雰囲気を持つ米津玄師が主題歌を歌い、脚本家は女性だった。今回はB'zと、男性脚本家(『正直不動産』『監察医 朝顔』シリーズなどの根本ノンジ氏)であるためなのか、またドラマに何度も登場する「野球」(野球部の同級生や、ホークス)のためなのか、前回と比べて男性視聴者への目配せがあるように感じる。
「平成のオヤジ」世代であろう、結の父親・米田聖人(北村有起哉)はおそらくキーパーソンであろうから、この点も注目したい。
前回の『虎に翼』にいまいちハマれなかったアラフォー、アラフィフ、もしくはそれ以上の男性たちが、今回の朝ドラは「ちょっといいな」と思えたとしたら、それはさりげない仕掛けのためなのかもしれない。
ともあれ、始まったばかりの朝ドラを、しばらくは期待して見続けたいと思っている。