9月30日から放送が始まった橋本環奈主演の連続テレビ小説『おむすび』。初回の視聴率は16.8%で、『虎に翼』(16.4%)や『ブギウギ』(16.5%)など最近の朝ドラを上回る発進となった。お茶の間で知らない人のいない売れっ子である橋本環奈は、満を持しての朝ドラヒロインという感があるが、伝説的朝ドラになったと言われる『虎に翼』の後、というプレッシャーもある。今後の人気を3つのポイントから占ってみたい。※以下、10月3日放送回までのネタバレが含まれます。(フリーライター 鎌田和歌)
「しばらく見てみようかな……」
『おむすび』の初回放送に感じたこと
橋本環奈が平成のギャルに?そして栄養士に?先行して公開されたギャルビジュアルと、「栄養士」のキーワードのインパクトが強い今期の朝ドラが『おむすび』だ。
ヒロイン・米田結(橋本環奈)は、農家を営む祖父母、両親とともに福岡県糸島市に暮らし、高校に入学したばかり。幼馴染からは「米」と「結」がつく名前から「おむすび」と呼ばれているが、そのあだ名よりも隠したい秘密は、姉の歩(アユ/仲里依紗)がかつて、伝説のギャルだったことだ。入学早々、歩の妹だとバレた結は、ギャルサー「ハギャレン」(博多ギャル連合)メンバーから総代になってほしいと勧誘されるが、強く拒絶する。
舞台が糸島ということで、「自然の中で育ったヒロインが、ギャルになったりしつつも、なんだかんだあって食の大切さを伝えていくことになるのだろう」と予想されるが、初週はその予想通りの展開を示唆しながら、時折挟み込まれる主人公家族の過去が見る者の心を少々ざわつかせ、この要素がどのように他のテーマと絡んでいくことになるのかと思わされた。
ネット上での反応を見ると、橋本環奈やその他のキャストにかける期待と、前作『虎に翼』との比較が入り混じるような状況だ。個人的には1週目を見て、しばらくは見続けたいと感じた。
というわけで、『おむすび』の今後の受け止められ方を、3つのポイントから占ってみたい。3つのポイントとは、「橋本環奈の安定感」「前作『虎に翼』との比較」、そして「ご当地ドラマとしてのおむすび」である。