近年では若い方が地方に多く移住しています。中にはミスマッチが起こることもありますが、その多くは自然の中で“都会の感覚”で暮らしたいという場合です。地域の人と関わることなく、家でリモートワークするばかりではうまくいかないということは容易に想像できます。逆に、移住者が地域を知ろうとし、地元の人と心を開き合うことで、地域をつくる一員になっているケースもあります。「なりわい塾」はその一助となるために行っています。

書影『森と算盤 地球と資本主義の未来地』(大和書房)『森と算盤 地球と資本主義の未来地』(大和書房)
渋沢寿一 著

 個性を持った人同士が、お互いが持つ弱みまでも許容しながら、自分たちの暮らす地域社会を考えていくことで、持続可能なコミュニティはつくられていくのだと、私は思っています。

 地方に暮らしている方々と話していると、このような言葉を耳にします。

「地域の人たち皆がお互いを理解し、自分たちの暮らしのために仕事をする。幸せな社会とは、そういうことなんじゃないか」

 自分ではなく、自分たちのために仕事をし、暮らし、生きていく。そんなBeの生き方が、これからの幸せな社会をつくるのだと思います。