年収が高い方が幸せだと皆がなんとなく思うようになり、「これは1億円の価値がある」と言われたらすごいと思うようになりました。しかし本来重要なのは、金額ではなく自分の価値観に照らし合わせることのはずです。いくら金額が高くとも自分にとって価値が見出せなければ自分には必要のないものですし、みんなが見向きもしなくとも、自分が大切に思えるものなら大切にしていいはずです。

 しかし、お金という便利な尺度があることで、自分の価値観さえもお金に左右されるようになりました。裏を返せば、ある意味この80年は、自分のものさしを放棄した時代と言えるのかもしれません。

 だからこそ、これからの50年、100年先のことを見据えた価値観が必要なのだと思います。

若者たちが模索する
持続可能な生き方

 現在、私が地方で若い世代の方と話していると、彼らは「地に足がついた暮らし」に価値を見出しているように感じます。

「地に足がついた暮らし」とは、できる限り自然から得られるものを食べ、持つモノは必要最低限にすること。そして、表面的な人間関係ではなく、自分が属するコミュニティの中で、自分が必要とされていること。その暮らしの中では、あらゆる人と世代がシームレスにつながっています。