このとき、4人全員が「彼氏ナシ」で、21~22歳でした。私は「若いのに、なぜそんなことを」と、つい顔をしかめましたが、口火を切った彼女が、明るく「初回の採卵とかトータルで、30万円かからなかった」「結婚後に不妊治療を受けるより、コスパいいでしょ」などと笑顔で話すのを見て、「ある意味で、賢いな」と思うようになったのです。
もちろん、一部の誤った情報に踊らされて、「早く卵子凍結しないと」と、やみくもに焦るのは間違いです。半面、令和の共働き夫婦は「結婚すれば、そのうち自然に妊娠できる」時代ではなくなりました。
10年ほど前から、取材でも(産休・育休に備え)「上司に『そろそろ子作りしてもいいですか』と相談する」といった男女が増えたほか、結婚後に排卵日を夫婦でシェアして、「今日は(排卵日だから、お酒を)飲んで帰ったら、コロス」とメッセージを送る妻や、「僕はどうせ種馬だから」と失笑する夫たちが、身近になっていたのです。