「ところで、経理部とのことですが、経理の仕事って、常に緊張感がありそうですね」

 すると、質問がハマったみたいでテンションが上がります。

「そうなんですよ。数字が合うまで大変ですよ。でも数字が合った時の快感も大きいですよ」

 仕事のことを語り始めると、多くの人が饒舌になります。隣でみていると、相手の方のボルテージがどんどん上がっていきます。質問の技術が高いからこそですね。

遠い世界の話ではなく
目の前の相手を話題にする

 人脈王は名刺交換をしてから3分経っても、自分のアピールをしていません。熱心に相手の話を聞き始めて5~6分。すると、相手がハッと気づいたように、質問をし始めます。

「私ばかり話してしまってすみません!あなたはどんなお仕事をしているんですか?」

 その質問で、ようやく人脈王は自分の紹介をし始めました。

 場をつなぐために「最近こんなニュースがありましたよね?ご存知ですか?」などと、スポーツや芸能のニュースなどを話す人は多いです。その場から遠い世界の話をすることで、相手に深く入りこまないように配慮しているとも言えます。