朝食前の舌そうじを終えた後には、さらに30秒ほど使って舌の筋トレをしていただくとなお良いと思います。舌の筋肉が衰え、誤嚥の回数が増えることも、誤嚥性肺炎につながるからです。

『名医・専門家に聞く すごい健康法』(新潮社)『名医・専門家に聞く すごい健康法』(新潮社)
週刊新潮 編、精田紀代美 著

 若い人など筋肉が衰えていない人は、咀嚼する際に舌の中央部分が凹み、「谷」となったその中央部分に食べ物が自然と集まってきます。ところが舌の筋肉が衰えた高齢者は、中央部分が凹まず、逆に盛り上がってしまい「山」となる。すると、咀嚼物が舌の左右にポロポロと転げ落ちてしまい、上手に飲み込むことができず、誤嚥を招いてしまうのです。

 具体的な筋トレ法としては、タンクリーナーの裏側の突起部分、あるいはスプーンなどを舌の中央部分にグッと押し当てる。すると、自然と舌が反発して押し戻そうとするので舌の筋肉が鍛えられます。グッと押し付けて離す。これを1回10秒かけて行い、3回繰り返してください。そして舌筋トレ後に舌の表面から出てくる唾液を是非確認してください。臭いのない透明な唾液が出てきます。