すぐに話を聞いてもらえるような専門家やカウンセラーが近くにいなければ、ふだんから信頼を寄せている知人や友人などに甘えて相談しましょう。

 ほかの人に話すことで、感情に占拠されていた心に第三者による冷静な視点が入り、自分の状況を客観的に見つめられるようになることが少なくありません。

冷静さを取り戻すために
“誰か”の力を借りること

 最終的には自分自身で解決策を見つけなければなりませんが、そのきっかけをつかむためにも誰かに話を聞いてもらうことには意味があります。私が『大愚和尚の一問一答』で伝えていることも、冷静さを失ってしまった人の理性をもう一度呼び起こすためのお話です。

 混乱状態の心にちょっと冷水をかけるといいますか、「こういうふうに考えるのはどうでしょう?」と不安の正体を見つめ直すためのアドバイスをしているのです。

 ここでひとつポイントになるのは、家族に頼るのもいいですが、家族以外の“第三者”にも頼ること。

 よほどしっかり者の家族がいれば話は別ですが、やはり自分の子どもや親、兄弟などが苦しんでいるとなると「なんとかしてあげたい!」という思いが強くなりすぎて、一緒になって不安の渦に巻き込まれてしまい、冷静な判断ができなくなってしまうことがあります。