私たちがなにか状況を判断するときには、ふたつのシステムが働きます。

 ひとつは経験則による直感で、もうひとつは論理的な思考による決断です。

 直感というのは当たるときもあれば、外れるときもある。データに裏づけてみると、意外と思い込みにすぎなかったということもままあるでしょう。

 この直感に従って感情的にものごとを決めていった場合に、結果として望ましい未来に結びつかない、あるいは正しい選択ができないということを、しっかりと理性を働かせて知ることが仏教の秘訣とされています。

 なによりも大切なのは、不安や恐怖を否定するのではなく、それを感じている自分自身をしっかりと受け入れること。「私は〇〇を不安に思っているんだ」という事実を明確にして、自分で認めること。

 そしてそれを認めたうえで、「本当にそうなのかな?」と一歩引いて冷静に考えてみる。

 これがブッダの智慧であり、対処法としての結論でもあるのです。