そこに人間の心理に精通したプロが悪巧みを仕掛けたらどうなるか。最初から人々が感じている不安という弱みを握っているのですから、そんなタイミングで声を掛けられてしまうと、どうしても冷静な判断はできません。

 人々の不安という感情は侮れないもので、パニックが伝染すると世の中を大きく動かすほどのエネルギーを生み出してしまいます。

 オイルショックのトイレットペーパー騒動然り、女子高生の冗談がまねいた豊川信用金庫の噂話然り、理性的な判断ができなくなった不安の塊は、もう恐怖以外のなにものでもありません。

不安や恐怖を感じている自分自身を受け入れる

「もう一度、自分の理性を取り戻すためには、どうしたらいいのか?」

 そのための手段が瞑想です。

 一日一回、自分の内側にある感情に向き合い「これは本当に必要な不安なんだろうか?」と振り返る時間を設けること。

「なんとなく不安」などといった漠然としたものではなく、不安の中身を具体的に「見える化」していくことが必要です。瞑想して明らかになったものを、ノートなどに書き出してみるのもよいでしょう。

 そのうえで不安なものごとに対する情報を集め、対策や行動するための準備をしていけばいいのです。