E5系後継車両「ALFA-X」試作機では
グランクラスが中間8号車に!
ただ、こういった状況をかんがみても、グランクラスのサービス自体は、当面はなくならないと思われる。
新幹線の貨物車両への転用は1~2両を構想しており、最初は1両を転換して利用の推移を観察するだろう。グランクラスは東北新幹線などで10号車(青森・新函館北斗寄り)、上越・北陸新幹線で12号車(金沢・敦賀寄り)に設置されており、反対側の先頭車両のみを貨物車両に転換するのであれば、当面の間、グランクラスは存続するのではないか。
また、現在のE5系などの後継車両「ALFA-X」(E956系車両)試作機では、グランクラスが中間車両(8号車)に置かれている。そして、両側の先頭車両は、空気抵抗や騒音の低減のために先端が22mも鼻状に長く伸びており、スペースはわずかしかない。
冒頭で述べた通り、新幹線の貨物輸送といっても実際は、輸送の容量はそこまで多くならないはず。将来的に新幹線での貨物輸送が本格化するなら、このスペースの狭い両端車両が活用されるのではないだろうか。
グランクラスの料金は来春以降、北海道・東北新幹線「はやぶさ」の東京~仙台が2万2070円に、東京~盛岡が2万6880円に、東京~新函館北斗が4万3300円に。北陸新幹線「かがやき」の東京~金沢は3万1840円に、東京~福井は3万4660円に値上がりする(いずれも運賃・特急料金を含む通常期)。値上げに合わせてサービス内容も良くなるのか、あるいは「またも改悪」と言われてしまうのか――。その経過を見守りたい。