過激派組織「イスラム国」(IS)との戦いがほぼ終息した後、米国防総省は中東を監視しつつも、中国とロシアのより大きな脅威に対処するために大半の戦力を振り向ける戦略を打ち出した。
米国は中東地域の軍事プレゼンスを、一握りの艦船と空軍飛行中隊、そしてイラクとシリアに駐留する数千人の部隊に縮小する計画だった。空母打撃群を定期的に配備することもなくなるはずだった。
米軍の能力を補強するため、国防総省は情報収集に海軍・空軍の無人機(ドローン)を活用するほか、イスラエルとアラブ諸国の間で形成されつつある安全保障協力を頼りにイランの脅威に対応するつもりだった。事態が制御不能になりそうな場合は、一時的に戦力を増派すればよいと考えていた。