4月10日にワシントンで日米首脳会談が行われ、日米関係を「グローバルパートナーシップ」と位置付ける共同声明が発出されたPhoto:Anadolu/gettyimages

日米首脳会談、指揮統制連携強化など合意
軍事面の協力に大きなウエート

 4月10日にワシントンで日米首脳会談が行われ、日米関係を「グローバルパートナーシップ」と位置付ける共同声明が発出された。

 同盟強化のため自衛隊と米軍の指揮統制の連携強化など日米の「軍事面での一体化」、さらには米英豪の安全保障協力の枠組みである「AUKUS(オーカス)」との先端技術分野を巡る協力に向けた協議の開始などが盛り込まれた。

 これまで、これほど軍事面の連携にウエートが置かれた共同声明はなかった。日本は米国の戦略上は中国抑止の最前線として位置付けられた形だ。

 これは日米関係だけではなく、日本の対外関係にとって大きな転換点と見なされるのだろう。サンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約締結以降、歴代政府が日米関係は日本外交の基軸であると言い続けてきたが、今回の共同声明はそれにとどまらず、軍事を中心として日米の一体化に踏み切ったといえる。

 今回の米国との合意は、安全保障の観点からは大いに連携が強化されることになるが、日本の2つの根本問題とのあつれきや支障が懸念される。