頭皮のフケやかゆみ、薄毛を引き起こす脂漏性皮膚炎。吉木伸子医師によるとこの炎症を予防改善するには、自分に合った「シャンプー」を選ぶことが何より重要と言います。ジャーナリストの笹井恵里子さんが聞きました。(よしき銀座クリニック院長 吉木伸子、構成/ジャーナリスト 笹井恵里子)
フケ、かゆみ、薄毛…
改善にはシャンプー選びが重要
前回は頭皮のフケやかゆみに悩まされる「脂漏(しろう)性皮膚炎」を解説しました。
薄毛になる原因には遺伝的な要素が大きいのですが、脂漏性皮膚炎によって引き起こされることもあります。脂漏性皮膚炎とは、表皮の免疫バランスが崩れ、雑菌が繁殖して炎症を起こしたもののことで、頭皮の深部に炎症が及び、毛根周囲にも炎症が起きると、毛の発育が阻害されて薄毛になることもあるのです。
この皮膚の炎症を予防改善するためにも、また髪や頭皮の健康を守るためにも、自分に合った「シャンプー」を選ぶことが何より重要です。
さまざまなシャンプーを研究
使うシャンプーで髪は変わる
さてあなたは、シャンプーをどのように選んでいるでしょうか。成分を見てもカタカナ語ばかりでよくわからず、価格や商品イメージで選んでいる人も多いかもしれません。
皮膚科医の私は約4年前、ヘアケアに特化した本『美容皮膚科医が教える 大人のヘアケア再入門』(青春出版社)を書くことになって、診療の傍ら、ずいぶん勉強しました。美容資材を開発されている方にお話をうかがい、実際にさまざまなメーカーのシャンプーやコンディショナーを試しました。自分ではもちろん、家族や当クリニックのスタッフ、患者さんなどにも試してもらい、本当にいいシャンプーを探してきたのです。
勉強する中で、毛髪科学の奥深さを感じました。
「生まれつきの髪質だから……」「もう年だから」と理想の髪になることを諦めている人が少なくないのですが、使うシャンプーによって髪は変わります。それだけ技術も進歩してきたということです。