高市政権を動かす「陰の主役」の影響で、消費減税の公約が重荷に2月16日、首相官邸で会談に臨む首相の高市早苗(右)と日本銀行総裁の植田和男 Photo:JIJI

 首相の高市早苗が衆院本会議場に姿を見せると拍手が湧き上がった。2月20日午後2時少し前、議場前方の議席を占める自民党の初当選議員たち。まるで“凱旋将軍”を迎えるような光景だった。この日は選挙後初めての高市の施政方針演説が行われたが、選挙戦の遊説を聞いているようだった。

 際立ったのは「強い」という言葉の多用だ。「日本列島を、強く豊かに」「強い外交・安全保障」「力強く背中を押していただいた」――。

 その勢いのまま高市は矢継ぎ早に指示を繰り出す。来年度予算の年度内成立を目指すよう自民党執行部へ要請したことはその象徴的な動きだ。そこには演説で触れた「さまざまなお声に耳を傾け、謙虚に」とは程遠い高市の本音がのぞく。むしろあまりの圧勝で高市自身は「早く結果を出したい」という“強迫観念”に駆られているようにも見える。中でも高市が最も神経質になっているのは国際金融市場の動向ではないか。施政方針演説にもその一端が垣間見えた。

「マーケットからの信認を損なう野放図な財政政策を取るわけではない」

 背景には高市が衆院解散を表明した1月19日の記者会見をきっかけにマーケットが激しく反応したことがある。債券市場で長期金利が急上昇して1999年2月以来、26年11カ月ぶりの高水準を記録した。高市が打ち出した飲食料品の税率8%をゼロにする減税方針が財政悪化への懸念を増幅させるとみられたためだ。