洗浄力が強すぎると
表皮環境を悪化させる

 汚れを落とす時に、一緒に地肌や髪の潤いまで奪わないように、負担を減らすことを意識してください。

 表皮には皮脂膜があり、毛穴から分泌された皮脂が「善玉菌」と混じって「弱酸性」の皮脂膜を作り、地肌をおおっています。これを頻繁にとってしまうと、表皮環境を悪化させ炎症が起きやすくなってしまうのです。

 というと洗浄力は弱いもののほうがいいと思われがちですが、弱すぎると汚れが落ちなくて、つい物足りなくて大量につけてゴシゴシ洗ってしまうこともあります。自分の髪質に合った「適度な洗浄力」を見つけることが重要なのです。

肌や髪のタイプ別
シャンプーの選び方

 大まかには頭皮の乾燥やダメージヘアに悩む人、髪がパサついているような人は、刺激が強いといわれる「硫酸系」を避け、「アミノ酸系」や「ベタイン系」を主体としたマイルドなものがいいでしょう。これらは保湿力は弱めですが、地肌にはやさしいです。

 ただし注意点として日本では「何がアミノ系シャンプーか」という決まりごとはないため、硫酸系の界面活性剤を含んでいても「アミノ酸シャンプー」と表示することが可能です。前述した界面活性剤の種類と成分、商品表示を照らし合わせて確認してください。

 一方で、オイリータイプで髪がベタベタしていたり、油性のワックスをつけている人はアミノ酸系では汚れが十分に落ちないことがあります。整髪料をたくさん使う人でしっかり落としたい人、それでいて頭皮にトラブルがないなら「硫酸系」の界面活性剤を避ける必要はありません。硫酸系は洗浄力・泡立ちともに良く、少量でも泡立ってよく落ちるのがメリットです。

 昔からあるような「せっけん系」は髪がギシギシになりやすく、また「無添加」をうたうものは保湿成分も入っていなかったりするので、かえって地肌に良くないことがあります。「せっけん素地」「純せっけん」というと天然に近くてやさしいイメージがありますが、アルカリであり、洗浄力もある程度あるので、必ず肌に良いとは言いきれません。乾燥肌や敏感肌の人はアミノ酸系の界面活性剤で作られたもののほうが洗浄力はおだやかで、適していることもあります。